転職くらいでも、世界は変わる。
転職した、と言うと、
ものすごくびっくりする人と、
そっかあ、と、髪を切ったんだね、くらいの反応をする人とに
結構分かれる。
転職する前、私は「ものすごくびっくりする人」だった。
転職したいと思うことはあっても、
転職活動にすらなかなか踏み出せなかった。
いつも「今の仕事もわるくないし」というところで落ち着いていた。
転職活動を始めるための履歴書や職務経歴書の作成が面倒だったし、
転職活動をして転職市場での自分の需要のなさを思い知るのが怖かった。
転職先は、同じ業界の、ほぼ同じ職種に決まった。
でも、会社は日系から外資系になり、一般事務職という枠はなくなった。
勤務先は、田んぼの真ん中から都心と呼ばれるオフィス街になり、車通勤から電車通勤へと変わった。
ただ、それだけで。
それだけで、私の世界は変わってしまった。
私の中にあった、
仕事とはこういうもので、
働くとはこういうことで、
という考えが、本当に、ただ1つの考えでしかなかったことを知った。
唯一、とは思っていなかったけれど、大体みんな一緒でしょ、と思っていたことが、
どれだけ狭い世界のことだけだったかを知った。
私は、「大体みんな一緒でしょ」と、その例外に対する「それは特別でしょ」だけで世界を見ていた。
そういう人は多いのではないだろうか。
転職くらいでも、世界は変わる。
視点の少なさ・視野の狭さに気付けてよかった。