出社前、小さな散歩、まわり道。
天気がよければ、ふらふらしてから会社へ行く。
会社の周辺は、表通りはオフィス街、裏通りは繁華街のすみっこ、という雰囲気。
地方の住宅街で生まれ育った私にはどちらも新鮮だ。
最近気になって仕方ないのは、
「カフェ・ド・エム」というカフェらしきお店。
店名の「カフェ・ド・エム」という表示の下に、ローマ字で「大人の社交場」と書かれているのだ。
怪しすぎる。
気になってはいるけれどあんまり入りたくはない。
ちょっと入りたいな、と思っているのは、
私設の小さな美術館と、なぜか3軒もあるジャズ喫茶。
散りかけのコブシはちょっと寂しいけれど、
色づいた鉢植えや春めいた柔らかい日差しはそれだけで心躍らせる。
最近では、もうちょっと早く家を出て遠征してみようかとも考えています。。
おとなの掟 / カルテット Doughnuts Hole
今更ながら、夢中。。
たまらない、という言葉がぴったりだ。
満島ひかりさんの、もろいような強いような、幼いような色っぽいような声と、
高橋一生さんの急き立てるような低音が本当にたまらない。
そしてこの歌詞。。
好きとか嫌いとか欲しいとか気持いいだけの台詞でしょう
ああ白黒付けるには相応しい
滅びの呪文だけれど
刺さるわー。。
少し前までの自分だったら全く理解できない歌詞だったかもしれない。
ここ何年か、清濁併せ呑む、という言葉を思い浮かべることが多くなって
最初は、汚い大人になっていく~…、なんて思ったりもしたけれど
清濁併せ呑んだ大人の清々しさは、子どもの清らかさにも劣らず美しいような気がして
今は以前ほど白黒ハッキリつけなきゃ!!と思わなくなりました。
ドラマを見ていない人・ドラマには興味を持てなかった人にも
是非聞いてみて頂きたい1曲です。
あなたにありがとう。 / 松浦弥太郎
心に残ったのは、「待たない」と「心置きなく贈る」。
人間関係において、受け身にならず自分から動くこと、狎れずに感謝の気持ちを伝え続けること。
ああそうだ、ほんとそうだ、と思いながら読んだ。
いつか同じようなことを考えたことがあったのに、日常の中でどんどん甘えて怠けてしまった自分がいたから。
“松浦さんは、「少年青年紳士」みたいな人”という、解説の轟木さんの文章もよかったです。
正直 / 松浦弥太郎 - 笑顔であいさつ、はじめました。
笑顔であいさつをしましょう、
なんて話をまじめに聞いた(読んだ)のは小学生以来だった。
それくらい、ありきたりの話。
でも、できている人は少ない。
改めて言われて、はっとして、私も笑顔であいさつを始めました。
簡単なことに思えるけれど、これがなかなか難しくて…
ふといつも笑顔であいさつをしてくれるDさんが頭をよぎりました。
素敵な人は、やっぱり素敵なあいさつをしている。
あいさつから、私も近づきたいと思いました。
松浦弥太郎さんは、「男」という感じがする。
文章も、男性に向けて書いているのかな、と思う時がある。
松浦弥太郎さんの文章も大好きだけれど、
もし女性版・松浦弥太郎みたいな人がいたら読んでみたい。
もしそんな人がいたら…と考えるだけでワクワクする。
魂のうつくしい人。
先週末はK先生の誕生日だったので、誕生日のお祝いメールを送った。
K先生は大学の恩師で、現役の哲学者だ。
ハタチそこそこでK先生に出会った私は、「こんな大人がいるのなら、大人になるのもいいかもしれない」と思った。
それまでも素敵な大人には何人か出会っていたけれど、相対していてそんな気持ちにさせてくれたのはK先生だけだった。
ある先輩は言った。
「K先生はいつもニコニコしていて優しいけれど、話していると全て見透かされているような気持ちになってくる」と。
私はと言えば、とりとめのない話をしていてふいに涙が出そうになったことが何度かある。
大木のような包容力と、子どものような純粋さ。
不思議な魅力を持った人だと思う。
メールの返信は、いつも通り早かった。
ところどころに顔文字の入った可愛らしいメールだ。
お礼や近況報告といった、何てことない内容なのに、読んでいると心が柔らかくあたたかくなってくる。
そうだ、私はただ、こんな人間になりたかったんだ。
大学を卒業して8年。
毎年この時期にK先生とメールをして、あの頃の自分を思い出す。
魂のうつくしい人は、私の魂についたホコリを掃ってくれるように思う。
転職くらいでも、世界は変わる。
転職した、と言うと、
ものすごくびっくりする人と、
そっかあ、と、髪を切ったんだね、くらいの反応をする人とに
結構分かれる。
転職する前、私は「ものすごくびっくりする人」だった。
転職したいと思うことはあっても、
転職活動にすらなかなか踏み出せなかった。
いつも「今の仕事もわるくないし」というところで落ち着いていた。
転職活動を始めるための履歴書や職務経歴書の作成が面倒だったし、
転職活動をして転職市場での自分の需要のなさを思い知るのが怖かった。
転職先は、同じ業界の、ほぼ同じ職種に決まった。
でも、会社は日系から外資系になり、一般事務職という枠はなくなった。
勤務先は、田んぼの真ん中から都心と呼ばれるオフィス街になり、車通勤から電車通勤へと変わった。
ただ、それだけで。
それだけで、私の世界は変わってしまった。
私の中にあった、
仕事とはこういうもので、
働くとはこういうことで、
という考えが、本当に、ただ1つの考えでしかなかったことを知った。
唯一、とは思っていなかったけれど、大体みんな一緒でしょ、と思っていたことが、
どれだけ狭い世界のことだけだったかを知った。
私は、「大体みんな一緒でしょ」と、その例外に対する「それは特別でしょ」だけで世界を見ていた。
そういう人は多いのではないだろうか。
転職くらいでも、世界は変わる。
視点の少なさ・視野の狭さに気付けてよかった。